2025年大阪・関西万博は“サステナブル建築の見本市”

現在開催されている大阪・関西万博では、展示物だけでなく「建築そのもの」が地球環境へのメッセージとなっていますよね。
中でも今、建設業界ではサステナブル(持続可能)な建築が求められており、万博のパビリオン群はその最前線を体現していると言えます。国際的なイベントである万博では、各国が脱炭素・省エネルギー・資源循環といったテーマに沿ったパビリオンを建築することが注目されており、まさにサステナブル建築のショーケースと言えるでしょう。

目次

サステナブル建築の取り組み事例:注目パビリオンと技術

ここでは、環境に配慮した建築として特に注目されているパビリオンや建設手法を紹介します。

  • 「木造リング屋根(大屋根リング)」単なるシンボルではなく、CO2排出量削減、木材利用による森林保全への貢献単なるシンボルではなく、CO2排出量削減、木材利用により森林保全への貢献など、環境面での意義を説明。
  • 日本館:木材×再利用可能素材
    国産木材を活用した木造ドームは、カーボンニュートラル建材を使用。
    解体後に他の建物として再利用される“循環型建築”として設計されています。
  • オランダ館:100%再利用建材で建設
    解体を前提に、既存の建材・廃材を活用して構築。
    ゼロ・ウェイストを徹底し、ごみを出さない建築を実現。
  • イタリア館:自然エネルギーの活用
    太陽光や自然通風を取り入れた設計で、ZEB(ゼロ・エネルギービル)を目指す構造。
    建築そのものが「環境に優しい装置」となっています。
  • 会場全体:サーキュラー構造
    万博会場は円形に配置された循環型構造
    移動距離・資材運搬の効率化と省エネを両立し、会場そのものが“脱炭素都市”のモデルとなっています。

他には、資源循環と廃棄物削減、多様性とインクルージョンも注目されています。

  • 「アップサイクル・リサイクル」:万博で使用される資材(ユニフォーム、会場の設備など)の再利用やアップサイクルへの取り組み。
  • 「食品ロス削減」:会場内でのAIを活用した需要予測や、廃棄物処理システムの効率化。
  • 「ユニバーサルデザイン」:誰もが快適に過ごせるように配慮された会場設計(バリアフリー、多言語対応など)。
  • 「万博共創プログラム」:企業や市民が参加し、持続可能な未来に向けたアイデアを具現化する取り組みを紹介。市民一人ひとりが「つくる」万博であることの重要性を強調。

万博が示す「未来の建築スタンダード」へ

建築の役割は、もはや「住む・使う」だけにとどまりません。
これからは「環境と共存しながら価値を生む空間」が求められます。

大阪・関西万博の建築群は、未来の建設業の方向性を示す生きた教材とも言えるでしょう。
素材選定、エネルギー設計、解体と再利用までを考え抜いた建築が、これからの“新しい常識”になっていくのです。

建築業界に携わるすべての人が、この万博でサステナブル建築のビジョンを体感できるはず。
「環境配慮をどう建築に組み込むか?」という問いへのヒントが、そこにあります。

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